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第5回 アフタヌーンティー

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そろそろ時間のはずだった。鞄から取り出して携帯を見たけれど、待ち合わせ相手からの連絡はない。代わりに、セイジからメールが入っていた。

――気にすんなよ。まあ、がんばれ。

一体、何を気にせずに、何をがんばれというのか。改行して、メッセージは続いている。


――これが本当の、はげましメール。





さむっ!と、思わず口に出して、あたしはメールの返信を打った。打ち終わったら、ばかばかしくなった。画面を閉じて、テーブルに放り出す。
ため息をつく。ついでに、ああ、ハゲか…という言葉がこぼれ落ちる。隣に座っていた男が、ちらりとこっちを見る。あたしは窓の外を見ているふりをして、紅茶のカップを持ち上げて顔を隠した。



あの日、あたしは取り乱して、セイジの前でわんわん泣いてしまった。あとから来たレイコには何も説明しなかったけど、レイコはレイコなりに何かを悟ったようで、煙草の煙を吐き出して、一言、あたしにこう訊いた。
「そんなに好きだったの?
その男のこと」



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