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第13回 月とベーコン

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春の夜は心地よく肌になじむ。今日は満月で、空には丸い月が光っているのだろうが、白い煙が俺の視界を遮っていて、金色が僅かに見えるだけだ。
俺はベランダと部屋の境界に腰掛けて、自家製のベーコンを作るべく肉をいぶし、においを肴に、ビールを飲んでいる。一度昼にやっていたら消防署に通報されたので夜にすることにした。長い冬の間、俺は外に出ても寒くない夜が来るのを心待ちにしていた。花見がなんだ、俺には桜の木のチップで作った燻製こそが、春の訪れを知らせる行事だった。

風流な夜を満喫していたというのに、無粋な着信音が鳴り響いた。
手を伸ばして携帯を取って見ると、ノゾミだった。
携帯を耳に当て、煙の量と肉の脂のしたたり具合を確認する。



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