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第11回 グラスの中 2/4

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あたしたちは、焼き鳥メインの居酒屋に移動した。店員が威勢のよすぎる声を張り上げている。レイコとよく来る店だった。
気にしていたことを言えて安心したのか、気楽な場所に来たせいなのか、森川は机にうつぶせて、そのまま寝てしまいそうになっている。
おいおい、一人にしないでよ。あたしは食べ終わった串で森川の手を突っついた。
「わ、いて、痛い。ちょっと、そんなもので突っつかないでくださいよ」
「あのさー、森川ー、ちょっと聞きたいんだけど」
呼び捨てにしても、全く気にしていない。とろんとした目で、こちらを見て「なんすか?」と、応じてくれる。

「ねえ、結婚て何だろうね」
先週うちで飲んでたときに、レイコが呟いた言葉だった。あたしは咄嗟に茶化してしまったけれど、本当はひどく動揺したのだ。
もちろん、そんなこと、一言で答えられるようなものじゃないけれど、そうじゃなくて、そもそも、あたしの中にその答えがないことが分かってしまったのだった。



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