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第13回 月とベーコン 2/4

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「セイジさ、今何してる」
「ベランダでベーコン作ってる」
ノゾミが黙る。呆れているのだろう。まあ、普通、こんな真夜中に一人、燻製を作ったりはしない。
だけど、このうまさを一度知ってしまったら、市販のものじゃ満足できないのだ。
「ねえ、セイジ。一緒に子孫の育成しようよ」
「あ、いいよ」
俺は答えながら、空いている方の手でうちわを使い、煙を人の住んでいない方へ誘導する。



「ところで、それ、何て言うゲーム?」
ノゾミの返事が返ってこない。いつの間にか通話は切れていた。
風が吹いた。煙が散らされて、月がくっきりと見えた。
…ま、いっか。
どうせ酔っぱらいの戯れ言だろう。もう少しで燻し上がるはずだが、煙が少し足りないかもしれない。箸でチップをつついていると、再び電話が鳴った。

「そういう言い方ないでしょう?」
怒ったノゾミの声が耳を刺した。思わず俺も声が大きくなる。
「そういう言い方って何の話だよ。いきなり何なんだよ、お前は」
がらがらとベランダの戸が開く音がした。俺は我に返り、部屋に入るとガラス戸を閉めた。



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