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第15回 青信号 3/6

喋りながら自分の中の霧がだんだん晴れていくのを感じる。
店員は、話の行く先が見えないが、何やら勝手に勘違いして、ますますにこにこ微笑み、厚化粧の目元を緩ませる。拓哉も嬉しそうに寄り添って、わたしの腰にそっと手を回してくる。
しかし、話は最後まで聞いて欲しい。


「だから、たぶんわたし、指輪とか結婚式に興味がないんじゃなくて、この結婚に興味がないみたいなんですよね」


言い終わった途端、突然、世界がクリアになった。ああ、すっきりした。わたしは、久しぶりの爽快感を味わっていた。
拓哉の頬が怒りのあまり痙攣している。それでも無理矢理口角を持ち上げて、わたしのセリフを笑い飛ばそうとする。
「あはは、なにそれ。じゃあ、玲子は俺と結婚するのが嫌なわけ」
「嫌とかじゃないけど、興味がないっていうか」
「あら、あら、マリッジブルーですよね。花嫁さんは直前でいろいろ不安になるものですよ」
店員もとりなし始めたが、もうわたしの中に動かしがたい何かが居座ってしまっていた。



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